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コラム Column

日本酒唎酒師あやかが日本酒を語る

伊藤彩夏

江戸時代の日本酒

京都の木下酒造では、江戸時代の文献を参考に、当時の酒造りを再現した「Time Machine 1712」という日本酒を醸造しています。精米歩合は88%で、それはどのくらいかというと、私たちが普段食べている白米の精米歩合が90~92%なので、それをもう少し削ったイメージです。

日本酒を説明する表現でよく用いられる甘口、辛口という表現は日本酒度を基準にしていて、日本酒度というのは簡単に言うと日本酒の中に含まれる糖度を示しています。一般的にプラス3~5度程度で「辛口」、マイナス3〜5度で「甘口」と評価されています。

このTime Machineは、日本酒度がなんとマイナス43度!ということで一般の日本酒とは比較にならないほどの超甘口評価になります。
さらに日本酒の味わいを説明するのに重要な要素である酸度においては、平均的な日本酒の酸度が1.2~1.5くらいに対し、約3倍ほどの3.5とかなり高めになっています。精米があまりされていないので、米のタンパク質が残っているため、旨味成分であるアミノ酸を多く含んでおり、芳醇な味わいであることが想像出来ます。

いざ試飲してみると、発酵調味料を思わせる、みりんのような、甘口醤油のような味わいに、干しぶどうのような風味が感じられ、とっても甘くて濃厚なのに後味はスッキリで、食前酒に向いているお酒だと思いました。
試飲をしているうちに、数年前に飛行機で見た日本酒ドキュメンタリーで、「アイスクリームにかけて食べる日本酒」という特集を思い出し、さっそく店にあったバニラアイスにかけて食べてみると、予想通りとても相性がよく、ラムレーズンのような味わいを作り出してくれました。

Time Machineはそのままでは、たくさん飲むことは苦手な方も多いかもしれませんが、江戸時代の日本酒という面白いストーリーに少しアレンジを加えることで、幅の広がる日本酒なのでSake Barらしい夏季限定デザートとしてBeShockのメニューに加えたいと思います。

皆様も、その昔サムライが飲んでいた日本酒がどんなものだったのか、是非チェックしにいらして下さいね!