サンディエゴタウンがゆく!
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10/14/21
深田恭子さんと適応障害
深田恭子さんが適応障害と診断され復帰したニュースからみる、
適応障害についての正しい知識と日本のメンタルヘルスの遅れによる適応障害に関しての誤解
深田恭子さんが適応障害と診断され休職された後に、最近復帰されました。これを機に適応障害という名前を以前よりも聞く機会が増えたかもしれません。古くは雅子様も適応障害と診断されています。今回は、この適応障害についてお話したいと思います。
適応障害の症状と型
適応障害とは、その名の通り新しい状況にうまく適応できずに心の病になってしまっている状態を指します。
診断基準は、3ヶ月以内に起こったある出来事等により、気分の落ち込み、希望が持てない、よく涙が出る、不安や心配をコントロールできない、反抗的態度をよく示す等の症状が顕著になり、生活に支障をきたすほどの場合に診断されます。
それぞれの症状によって、適応障害はうつ型、不安型、妨害行為型、うつと不安型、詳細不明型に分かれます。
注:自己診断は決してしないでください。何かお困りな事があれば御相談下さい。
適応障害は3ヶ月から6ヶ月
適応障害の原因となる出来事があってから3ヶ月~6ヶ月経っても治らない場合、適応障害という診断名は使われなくなり、多くの場合うつ型の人はうつ病、不安型の場合は不安障害に診断名を変更します。
治療法
まず、大前提として適応障害も心の病であり、心の専門家に相談しなければ解決しないものだとご理解ください。
適応障害の場合は心理カウンセリングを通じて、なぜ新しい環境に適応できていないのか、今まではどのように対応していたのか、もし今までも似たような事があったのならそれはどうしてか、どのような考え方の癖を治していく事で適応できるのか等、これらを丁寧に見直していき、考え方や行動を変えていく事で新しい環境への適応を目指します。
日本の間違った情報
原因
散見される間違った情報の一つに、適応障害はストレスの原因が何かわかっているがうつ病はわかっていないというものがありますが、これは違います。うつ病でも、ほとんどの場合何が原因なのかわかります。
ストレスの原因を取り除けば症状が改善されるという誤解
ストレスの原因を取り除くことが適応障害の治療法であると明言している産業医等が見られますが、ストレスの原因を取り除いてもそれは一時しのぎにすぎません。
例えば、日本の心の病の対処法として「休職」というものがあります。これは、仕事場が原因で適応障害になったから、ストレスの原因である仕事場を取り除くという対処法です。しかし、多くの場合、休職し続ける事は不可能でありいずれは職場に戻らなくてはなりませんので、これは一時しのぎに過ぎません。
ストレスの原因を取り除く事を目標にするのではなく、どうやったら新しい環境に適応できるかを考え、実行していかなくては治るものも治らないでしょう。
どれくらいで治るかは専門家でもわからない
もう一つの間違った情報に、適応障害は3ヶ月から1年で治るという意見が見られます。しかし、〇〇の期間で治ると断言できる心の病はありません。もちろん適応障害の場合も同じです。
誤診
前途したように、適応障害の症状が6ヶ月以上続いている場合は、それはもう適応障害ではありません。6か月以上新しい環境にいても適応できていないということであれば、別の心の病と考えるべきでしょう。なぜなら、6ヶ月以上経てばそれはもう「新しい」環境ではないからです。
しかし、例えば雅子様が適応障害と診断されてからずっと適応障害と言われているように、日本では適応障害の診断名がずっと使用されるという誤診を頻繁に拝見します。残念ながら、これでは治るものも治りません。本当の診断名を知る事で、正しい治療と正しい知識に繋がり、前に進んでいけるものです。
以上、適応障害についてお話しました。
正しい知識を得て頂ければ幸いです。
荒川龍也, M.S., LMFT #82425(カリフォルニア州公認心理カウンセラー)
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