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12/16/21
雅子様の適応障害に関しての医師団の発表全文から見る、 日本のメンタルヘルスの遅れとそれがもたらすネガティブな影響
皇后 雅子様が先日58歳の誕生日を迎えられ、それに伴って雅子様がかねてより苦しんでいらっしゃる適応障害に関して医師団が見解を発表いたしました。(全文はこちらをご覧ください)しかし、非常に残念な事に、この全文からも日本のメンタルヘルスの治療の遅れが如実に表れています。
「体調を整える」という表現は間違い
“新型コロナウイルス感染症のために御活動が制限され、御体調が整いにくくなっていらっしゃるなか、皇后さまが工夫を重ねられ、御体調を整えられながら御活動を続けるよう努力していらっしゃる”
医師団の見解にこのような一文がありますが、この「体調を整える」という表現はメンタルヘルスの理解をさらに遅らせる原因の一つです。まず、心と体は繋がっているので、心の健康が悪化すればそれは体調の悪化にも繋がります。よって、確かに心の健康に不調をきたしている方は体調の悪化に困る事もあります。しかし、だからといって、他に身体的な病やケガが無い場合、これは体調の問題ではなく明らかに心の問題なのです。よって「体調」と表現するのは誤りであり、適応障害という心の病の診断を受けている以上は「心の調子」と表現するべきです。
実際、日本在住であろうとアメリカ在住であろうと、多くの日本人の方が心の病であるにも関わらず「体調が悪い」と表現されます。この誤った表現にはデメリットがあります。まず、心の健康問題を直視する事が難しくなります。これは心の健康の向上の妨げになりかねません、なぜなら事実をありのままに見なければ問題を解決する事が難しいからです。また、体調の悪さは心の病から来ている以上、体調の問題ばかり解決しようとしていても何も解決していきません。なぜなら心の病を解決しないと体調の問題は解決しないからです。
自信がつくから心の病が治るというわけではない
“皇后さまが工夫を重ねられ、御体調を整えられながら御活動を続けるよう努力していらっしゃることは、御自信につながる望ましいことと考えております”
次がこちらの一文です。この一文からでは、自信をつける事が心の病を治すために重要な事であると捉えられても不思議ではありません。大変残念ですが、日本では「成功体験を積めばそれが自信に繋がり、やがて心の病を治すことができる」という短絡的な方程式を当てはめる精神医療従事者を多くみかけます。しかし、心はそんな簡単にはできていません。実際に日本で治療を受けたクライアントさんで、このような方程式を当てはめられても全く治らなかった方を大勢診てきました。
確かに自信がつく事は非常に良い事ですが、自信がつけば心の病が治るというわけではありません。よく誤解されがちですが、自信とは流動的なものです。どれだけ多くの事を成し遂げてきた人でも、自信が無くなるような出来事があれば自信がなくなって当然です。しかし、多くの方は、自信がある人=常に自信に満ち溢れていて何事にも動じない人、という幻想を抱いてしまっています。これは実際には人間的に不可能な事です。しかし、この不可能な事を求めるがあまり、余計苦しんでしまう方々を数多く診てきました。
このような表現を続けるようでは、心の健康とその病に関しての誤解を助長し続けるだけであり、心の健康で苦しんでいる方が余計苦しんでしまいかねません。
時間をかければ新しい環境に適応できるというわけではない
“特に本年は皇居への御移転があり、御生活の環境が一変した年でもありました。十分に時間を取られて新たな生活に馴染んでいっていただきたく思います”
最後がこちらの一文です。この表現では、十分に時間を取れば新しい環境に適応できるかのように聞こえてしまいます。適応障害という心の病は、新しい環境に適応できなかったが故に苦しんでしまう場合に使われる心の病の診断です。しかし、雅子様の適応障害が発表されたのは2003年ごろであり、もう約18年の月日が流れているのです。つまり、この事実自体が「時間をかければ新しい環境に適応できる」という事が間違っている事の証明なのです。
多くの場合、心の病になってしまうのは今までの考え方や行動パターンなどがうまくいかない事が原因の一つです。今まで通りの事をしていれば不安は感じにくいのと同時に、それではうまくいかないから悩んでいるのです。つまり、今までとは違うやり方をしていかなければ、なかなか苦しい現状から脱出する事は難しいでしょう。しかし、この医師団の表現では、「時間をかければなんとかなる」という風に聞こえてしまいます。これでは同じ心の病で苦しむ方を、誤情報によって余計苦しませてしまうだけです。
以上、正しい知識を得て頂ければ幸いです。
荒川龍也, M.S., LMFT #82425(カリフォルニア州公認心理カウンセラー)
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