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コラム Column

ココロのハナシ~カリフォルニア州公認心理カウンセラーから学ぶ正しい心理学

荒川龍也

荒川龍也

カテゴリー:健康
2790 Skypark Dr. Suite 102 Torrance CA 90505
TEL: 424-254-8823

木下優樹菜さんのADHD告白にみる、日本のADHD理解に関する大幅な遅れ

こんにちは、カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。

先日、木下優樹菜さんが、ADHDと診断されたと発言したことと、それに関する反応をみて、日本のADHDの理解に関する大幅な遅れに愕然としましたので、今回はそのお話をしたいと思います。

ADHDとは

ADHDとは、大きく分けて三種類あります。不注意型、多動性・衝動性型、混合型となります。混合型とは、不注意型と多動性・衝動性型の両方が当てはまる場合です。診断を下すための基準が非常に多くありますが、不注意型の場合「集中力が無い」「忘れ物が多い」などで、多動性・衝動性型の場合は、「座っていられない」「話し過ぎる」などが代表的な症状です。

 

よくある誤解

日本でADHDという言葉自体が認知されてきたのはここ最近の事ですが、残念ながら正しい認識をされておらず、非常に多くの間違った情報が正しい知識かのように浸透してしまっているのが実情です。以下、代表的なよくある誤解と解説を列記しました。

 

大人になってからADHDになる

ADHDとは子どもの頃、それも幼稚園などのかなり小さい頃から症状が出始めるものですので、大人になってからADHDになる事は非常に考えにくいものです。実際に大人のADHDの方はいらっしゃいます。しかし、大人になってから突然ADHDのような症状が見受けられるようになり、子どもの時には全くそのような症状が無かったのだとしたら、それはADHDではなくて、他の心の病がADHDと似たような症状の原因になっている可能性が非常に高いでしょう。

 

忘れ物をよくする=ADHD

専門家に相談をせず、ADHDの一つの症状に当てはまるからADHDと自己診断されている方を非常に多く診かけてきました。当然の事ながら、忘れ物をよくするからADHD、注意散漫な事が多いからADHDと診断できるほど、ADHDの診断は簡単なものではありません。安易な自己診断は間違った治療・対処に繋がり、大変危険です。

 

発達障害=ADHD

ADHDは発達障害に属する障害の一つではありますが、ADHDだけが発達障害なわけではありません。しかし、日本では発達障害という表現を多用し過ぎるがあまりに、実際にどの発達障害の話をしているのかがわかりにくい事が多々あります。例えば、自閉症も発達障害の一つですが、自閉症とADHDではその症状が全然違います。

 

他の心の病の可能性

日本の精神医療の遅れが原因で、誰もが心理カウンセラーと名乗れてしまうが故に、間違った情報があたかも正しいことかのようにネット上では浸透してしまっています。ADHDの情報もその一つで、決して自己診断するべきではありません。なぜなら、他の心の病の可能性があるからです。

例えば、「集中できない」というのはADHDの症状の一つですが、これはうつ病の症状でもあり、不安障害の症状でもあります。また、「整理整頓が苦手・できない」というのもADHDの症状の一つですが、うつ病の方は落ち込んでいるので整理整頓が出来なくて当然です。

 

年齢的に当然

繰り返しになりますが、日本の精神医療の遅れのせいで、間違った情報が常識となってしまっているのが現在の日本です。それが原因となり、年齢的にできなくて当然の事でも、できないが故にADHDではないかと疑ってしまう親御さんもいらっしゃいますが、それでは疑われた子どもがかわいそうです。

例えば、「整理整頓が苦手・できない」というADHDの症状ですが、子どもの年齢によってはある程度は当然の事でもあります。また、「人の話を聞かない」というADHDの症状も、子どもの年齢によっては自然な事なのです。

 このように、ADHDに関して様々な誤解が生じてしまっています。もしご心配な事があれば、まずは心の専門家(心理カウンセラーOR精神科医)に相談しましょう。

 

 “木下優樹菜が8日、YouTubeチャンネルで、精神科医でYouTuberのsidow氏と対談。ADHDと告白した動画について「唐突」と指摘され、産後うつと、タピオカ騒動の炎上で精神科に通っていたことを明かし「不祥事を病気でごまかそうとはしていません」と強く訴えた。 

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木下は7月にYouTubeで脳の周波を調べるブレーンクリニックでADHDだと判明したと告白。だがその告白が炎上したことから、同い年の精神科医・Sidow氏と対談し「ぶっちゃけ、どの部分が良くなかった?ご指摘を」と尋ねた。 Sidow氏は「動画が唐突に出たイメージ。あれだけ見ると、なんでいきなり公表を始めたんだろうと。ADHDと診断されるために病院に行ったんじゃないかと思う人もいたと思う」と指摘した。

Sidow氏は「別のことで(精神科に)通ってたんですよね?」と確認すると、木下は「10年前、長女を産んだ4カ月ぐらい後、産後うつになって、人生初の精神科に行って」と告白。元気なキャラクターイメージがあったことから「2年ぐらい、バレないように通った」という。

さらに、タピオカ騒動で誹謗中傷が殺到した時にも「すごすぎて。(誹謗中傷は)大丈夫と思ってたけど、ふとした瞬間に心を持って行かれる。産後うつとは違う形で、そっから3年通ってる。今でも」と、現在も通院していると告白した。Sidow氏は「そういう経緯をしらない人は、3年ぐらい定期的に通ってるのに、そこで精神科に通ったと。突然過ぎと(思う)」と指摘。

木下は「絶対にバレたくない。知られたら申し訳ないと。私生活と違い過ぎて」と、ファンをがっかりさせたくないことから、通院は絶対に伏せたかったとし、そのため経緯は明かせなかったとした。 木下はADHD告白は「だから許してみたいな、本当にそんなことはなくて」と強調。「不祥事を病気でごまかそうとはしてません」のテロップも表示された。

Sidow氏は「ユッキーナは、周りが理解してくれて、生活がなんとかなっているというニュアンスで発信してるから、実際に悩んでる人は『障害じゃないじゃん、もっと大変なんだよ』っていう気持ちがあったと思う」と、実際に苦しんでいる人に伝わり切れていなかったのでは?との考えを示すと、木下は「障害ってだけでとると、それを武器にしてととられちゃうけど、私はそういう意図はマジでなくて、知ったことで自分と向き合えると伝えたかった」と繰り返した。

また、脳の周波のブレーンクリニックについても、Sidow氏は「それは補助的な診断」と指摘すると、木下は「あれも出し方を間違えた。あれは5分10分で終わって、その後2時間の往診があって、3歳ぐらいの話から細かい話まで、2時間ずっとしゃべって診断された」と説明した。 コメント欄について「嫌な気持ちになってほしくないから」と今回は封鎖するとし「逃げているわけではありません」と締めくくっていた。”

(デイリーより、Yahoo記事を全文抜粋

 

荒川龍也, M.S., LMFT #82425(カリフォルニア州公認心理カウンセラー)

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