San Diego Town

こんにちは、カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。

この記事によると、元TOKIOのメンバーである山口達也さんが会社を設立したとのことです。会社のウェブサイトには、アルコール依存症で困っている方のための支援をすると書かれています。今回のコラムでは、これがどれだけ危険なことかを解説し、日本の精神医療・心理学の遅れの影響をご説明致します。

資格問題

まず、各資格を取得したと書いてありますが、それらの資格が正しいトレーニングを受けたとはいい難いものばかりです。その一番の問題として、山口さんが取得されたJADP認定心理カウンセラーもASK認定依存症予防教育アドバイザー資格もインターンシップ無しで取れてしまうだけでなく、短期間でだれでも取れるようになっています。これは決して正しいトレーニングを受けたとは言えないだけではなく、非常に危険なことです。例えるならば、外科手術経験のない医者でもない人に、外科手術をやらせるようなものなのです。

確かに、山口さんはアルコール依存症を患っていますが、これでは専門家とは言えません。しかし、有名人が専門的な話をすることで、何も知らない人たちにとっては専門家のように映り、間違った情報を聞いても正しいと思い込んでしまうのです。この結果としてさらに苦しむのはアルコール依存症を抱えて苦しんでいる本人たちなのです。確かに、アメリカでもアルコール依存症の方が、他のアルコール依存症で困っている人を助けるための役割をアルコール依存症治療専門施設や、断酒会で見受けられますが、アルコール依存症専門家として治療することは法律で許されていません。

お酒に依存する理由

さらに、アルコール依存の治療で大事なのがお酒の役割を考える事です。お酒に依存するには理由があります。アルコール依存で困っている人のほとんど全ての方がうつ病やPTSDなどの心の病を患っています。それら心の病になってしまうほどの辛い現実や過去を忘れたいがゆえにアルコールに頼るのです。つまり、心の病がアルコール依存の根本原因なのです。

つまり、アルコール依存を治療するだけでは根本的な解決になっていないのです。心の病を治療しなければ、例えアルコール依存を克服したとしてもアルコール依存を再発してしまうか他の薬物に依存してしまいかねません。そして、心の病を治療できるのは正しいトレーニングを受けた心の専門家だけでなのです

断酒だけがアルコール問題と向き合うための唯一の手段ではない

日本では、精神医療・心理学が遅れている事が原因で断酒だけがアルコール依存に対する唯一の方法かのようにいわれています。しかし、昨今では断酒だけがアルコール問題と向き合う方法ではないとされており、支障が出ない程度に飲む事を目指す方法も治療に適用されるようになってきています。これは、治療方法がその人に合ったやり方にされるべきなのと同じように、必ずしも全ての人が断酒したから心の健康が向上するわけではないからです。

日本の精神医療・心理学が非常に遅れているが故に、このような誰でも簡単に取れてしまう資格を得ることで簡単に専門家と名乗れてしまい、結果として人を救うのではなくさらに苦しめてしまいかねないのが日本の現状なのです。

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以下、記事全文を抜粋

【モデルプレス＝2023/03/26】「株式会社山口達也」を設立したTOKIOの元メンバー・山口達也さんが26日、自身のTwitterを更新。新会社設立の反響を受けコメントした。 ◆山口達也さん、新会社設立の反響受けコメント 同月24日までに会社を設立し、公式Twitterを開設した山口さん。 多くの応援する声や祝福の声を受け「この度はたくさんのメッセージを頂戴し、心より感謝申し上げます。ご意見ご要望をいただきました事により、より方向性に広がりを見出す事が出来ました」とし、「いただくチャンスに感謝をし、地道に私らしく活動して参りますので宜しくお願いいたします」と意気込んでいる。 ◆山口達也さん、新会社設立 設立した「株式会社山口達也」の公式サイトでは、山口さんの近影とともに「私がこの度患っている『アルコール依存症』は、完治しないと医師に宣告されました」と自身が患っているアルコール依存症について言及。 「この病気と一生付き合って行こうと決めました」「アルコールを一生一口も飲まない」などと決意をつづり、「2018年、2020年に私が起こしてしまった事件、事故につきまして、誠に申し訳ございませんでした 改めてお詫び申し上げます」と伝えていた。（modelpress編集部） 【Not Sponsored 記事】

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