San Diego Town

サンディエゴ
日本
2024年12月31日をもってTowns Walkerのサービスを終了します。ご愛顧いただきありがとうございました。

コラム Column

アメリカで看護師になろう!

アメリカ看護

体験談Vol.5 Aさん

ここロサンゼルスには、看護師を目指す日本人学生がたくさんいます。はじめてのアメリカ生活にとまどいながらも、勉強に励み、精一杯夢に向かっていく姿は、現在看護師になるために頑張っている方、または将来看護師になりたいと思っている方にもきっと参考になるはずです。
サンフランシスコで看護師を目指して学んでいるAiさんです。

 

プロフィール

Aさん (29歳)

神奈川県出身。現在、サンフランシスコ郊外に在住。2010年に看護学校を首席で卒業し、大学編入後、保健師および看護学士を取得する。在学中は、総合病院で看護助手を務め、その後訪問入浴サービスや特養、子どもホスピスでの看護師スタッフとして経験を積む。2012年より、神奈川県立こども医療センターPICU病棟に勤務。外国人患者家族向けの病棟案内の作成や対応を行う。休日は赤鼻クラウンとしてボランティア活動に力を入れる。2015年8月、チャイルドケア目的で渡米し、NCLEX受験勉強中。

アメリカ看護 Ai-san

 

Q. アメリカで看護師留学を決意された志望動機ときっかけは何ですか?

A. 学生時代に、アメリカで看護師登録するためには社会保障番号(SSN)が必須と知り、厳しいルートだと思っていましたが、今のチャイルドケアプログラム(Au Pair)でSSNが取得できたことがきっかけです。私は、病気のあるなしという概念を超えて、子どもに携わる専門職でありたいと思っています。そのため、日本でPICU看護師として働いていた時はChild Life Specialist(CLS)の大学院留学を視野に入れていました。ただし、アメリカの文化や言語、そして子どもの成長発達も理解した上で、病気の子どもたちについて学びたいと思ったのです。そして健康な子どもたちを住み込みでお世話をするAu Pairとして渡米し、今、経験を積みながらNCLEXの受験勉強をしています。

 

Q. 医療英語受講しての感想をおしえてください。

A. 私が受講しているクラスは、将来or現Nursing Assistantと呼ばれる看護助手(CNA)の方のためのクラスです(星さんの医療英語クラスと同じ教科書を使用していると伺い嬉しくなりました。ショートコースというのは、短期間で学ぶことを推奨するという意味であり、決してCNAだから簡単な内容というわけではないと星さんから伺いました)。 初回の面談で、医療英語と聞いた時、症状等を問診する英会話なのかと勘違いをしていました。受講して初めて、医学用語を英語で学ぶクラスなんだと、その意味と重要性を知りました。驚いたのは、これはCNAが知っておくべきレベルということです。ストマパウチ交換や気管切開部のケアなどもCNAの業務であると聞き、RNを目指す上で、さらに身が引き締まりました。最初は、英語が母国語の人でさえ発音できない単語に加え、調べた説明書きの単語もわからない状態でしたが、受講するにつれて、日本の臨床で何気なく使っていた英略語が紐解くように理解できて楽しいです。

Q.渡米までに準備された費用、期間を教えてください。

A. 学生の頃から、看護留学について調べたりしていましたが、今回の渡米準備に直結はしていないので省きます。Au Pairプログラム準備期間6か月で、費用は40万円程度。渡米後はプログラムで支給される給料で生活しています。

 

Q.これから看護留学目的で渡米する日本人へのアドバイスはありますか。

A. 絶対なる!と決意した人も、ただ憧れている人も、あなたが今まで辿ってきた道、またはこれから目指そうとする道が誰かの視野を広げ勇気になるって信じています。他の国で就職を目指すことは決してやさしくはないですが、一歩踏み出せば同志はたくさんいます!一緒に支え合い応援し続けられる仲間となれたら嬉しいです。

Q.「アメリカ看護留学」代表を務める星さんについて。

A. 何度か面談していただき、星さんは太陽みたいに進むべき道を照らしてくださる方だなと感じました。利益とか形式にこだわらず「どんなルートでもいい。あなたにとってのベスト」を常に考えてくださる星さんの人柄に感謝しています。ゼロから作り上げてきた努力・人脈・ご経験、その姿が私たちに進む勇気をくださっています。

 アメリカ看護 Aiさん

寄稿

「挫折から広がった夢」 

 私がアメリカに行くなんて想像すらできませんでした。幼少期に父親と生別し、子ども4人を養う母親の苦労を毎日見てきました。早く看護師になって、安定した収入を得て、早く家族を幸せにしたい!中学生の私はそう思い、看護科のある高校に進学すると決めていましたが、受験期に准看護師免許が取れなくなったと知り、やむなく普通科を選択しました。
 高校生になり、同じ志を持つ仲間だけでなく広い視野を持って、看護師として患者家族、医療スタッフにかかわりたいと思うようになり、大学進学を目指しました。ところが、担当教諭からは学力ではなく、あなたの家庭の経済力では大学は難しい、そして母親からも進学するなら自分でなんとかしなさいと言われました。

 夏休みの1か月はアルバイトと受験勉強を並行しましたが、入学金30万円を稼げるわけもなく、学校が始まってから専門学校へ推薦入学をすることを早々に決めました。学びたい意志も目的もあるのに、その資格すらないとショックを受けつつも、推薦入学を決める頃には「3年間で学費を稼いで大学に編入する」と次の目標を決めていました。私には夢があったからです。
 

「目の前の人は24時間365日痛いし苦しいかもしれない。その中でふと感じる楽しいな、幸せだなという瞬間。それを同じ目線から一緒に見つけたいし広げていきたい」

 

これは、ある本の中の男の子から私が受け取ったメッセージです。私がこの本と出会った時は小学6年生。彼は当時9歳、小児がんですでに逝去していました。私が9歳の時は、ここまで人のことを思いやれて考えられただろうかと自問した時に彼の偉大さを感じました。そして、この思いを叶えるために私は何ができるだろうと問い続けてきました。

 これが私の看護師としての夢の始まりであり、今もそのアンテナを頼りに進んでいます。合格率11%の大学編入試験に通り、実際に通い始めて分かったことがありました。社会人学生の持つたくさんの人生経験や人柄に触れた専門学校3年間。そして、編入学だからこそゆとりのある時間を活用して、日本初のこどもホスピスの立ち上げへ看護ボランティアとして参加させていただきました。ストレートで入学していたらこのゆとりはあっただろうか、と振り返った時に、今までの出来事が自分にとってなくてはならないものだったと感じました。事実は1つなのにたくさんの捉え方ができると気づいた瞬間から、より前向きに物事を捉えられるようになりました。
 日本語厳禁の大学の英語の授業。正直、英語は大の苦手でした。どうしたらモチベーションが上がるだろう。英語ができたらどんな可能性が広がるだろう。必死に考えた結果が、今の私へと導いてくれました。全て理解できなくても海外の看護論文を読む。欧米の有名な小児病院や子どもホスピスのホームページを眺める。そうするうちに、海外で経験を積みたいと強く思うようになりました。

 RNとして働くという夢は、アメリカの経済やビザ取得の動向など実際に調べたのちに一度諦めた夢であり、そしてChild Life Specialist(CNS)へと形を変えて歩き出した夢でもあります。母親の自死により、祖母、未成年の兄弟、住む人のいなくなった実家の責任を全て担いながらフルタイムで仕事をするという生活でも、なお夢を持ち続けられて渡米が実現できたのは、友人・恩師・先輩、多くの方との出会いと支えがあったからこそだと確信しています。

 

星さんとの出会い
 なかでも星さんとの出会いは、私の人生を大きく変えるものになりました。入院する子どもたちを対象とする前に、異なる言語や文化を通して健康な子どもたちの生活を理解したいと、チャイルドケアのために渡米しました。そして社会保障番号(SSN)を取得できたことをきっかけにRNの道が再び開けた嬉しさで、調べ直しました。星さんのウェブサイトにたどり着くと、この人と話してみたいと、一瞬で思わせてくれるくらい知りたかった情報がそこにありました。
 面談時も、星さんの明るいお人柄のおかげでなんでも相談できるという雰囲気のなか、私が納得して理解できるまであらゆる情報を提供してくれました。おかげで自信を持ってNCLEX書類申請代行のアドバイスをお願いすることができました。また、RN to BSNコース、Medical Terminologyクラスも星さんのアドバイスが調べるきっかけを作ってくれました。近所のMedical Terminology短期コースを受講して分かったことは、日本の看護コースで習う医療英語とはまるで種類が違うということです。初めは専門用語の説明文すら分からない単語が多く難解でしたが、受講する度に臨床で使っていた英略語が紐解くように理解でき、感動しています。

 そして、どんな状況でも夢は持てること、勇気をだして一歩踏み出した先に広がる世界があることを信じて、ほんのすこしずつ笑顔が広がる世界を作り始めています。病気だから、両親がいないから、貧しいからなど、さまざまな事情があってもそれを超え、こどもたちが安心して夢を描き、その夢の一歩を支え合う。夢に向かうこどもたち自身もまた、誰かの勇気になると信じています。そんな空間を作り上げるために、今、RNの道を目指しています。

 

星宣子から

長女として育ってきたAさん。もはやしっかり者の宿命なのでしょうか(笑)。与えられた環境の中で、まずは用意周到に下調べをしてから、いろいろな準備を渡米に向けて計画的にしてきました。正直、年齢以上の経験をしてきた経緯を聞いていくうちに「我慢強くて立派だな!」と思うと同時に、目標を達成するために試行錯誤しているさまには特に心を打たれました。こんなAさんこそ、アメリカで看護師を目指して欲しいと思います。面談を重ねる中で「どうしたいか?」から「どうすべきか?」に変化しました。そして今は、その具体的な手立てを乗り越え、「実際に○月までにどうする」というところまで前進しました。試験合格という壁があるかと思いますが、私は「NCLEX試験は一発合格!!できる」と宣言できるくらいの愛さんです。基本的な、勉強の仕方は皆さんにも学んでほしいと思います。試験合格したら、また連絡して下さい。

次へ前進して行きましょう!応援しております。

 

写真提供元:by アメリカ看護