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コラム Column

アメリカで看護師になろう!

アメリカ看護

オペアと看護留学との違い

「アメリカで看護師になりたい」という目的を持った人から、日々たくさんのご相談のEメールをいただきますが、中でも近年はオペアや語学留学を経験した人からの相談が増えています。看護師として働きたいのであれば、看護学校に進学することが最短ですが、相談者の多くは、渡米に際し最も不安な項目として英語力を挙げており、そのため、看護学校に進む前に語学学校、またはオペアでしばらくの間アメリカで生活をしてから看護学校に進学したいと話す人が非常に多いのです。

今回のコラムでは、オペアと看護留学との違いや問題点などについてご説明します。

オペアとは

オペア(au pair)とは、ベビーシッターとして海外の一般家庭に住み込みで働くことができる留学制度です。アメリカにもオペアがあり、メリットとしては、仕事に対して報酬がもらえるので経済的な負担が軽減されること、SSN(ソーシャルセキュリティ―ナンバー)が取得できること、さらに2年間のオペアから学生ビザに申請して滞在期間を延長することができるということもあって人気が高いです。年齢制限がありますが、若く体力がある人にとってはうってつけかもしれません。


仕事と勉強は両立できるのか

弊社には、昨年10月から今年4月までのわずか半年の間に9人の方からこのオペアに関連するご相談がありました。オペアには前述のようなメリットがたくさんあります。しかし、一方でデメリットもあります。現地で働くので生活に必要な英語力はつくものの、4年制大学などに進学するためにはかなりの語学力が必要です。ベビーシッターや家事をしながら英語を学ぶことは決して容易ではなく、ここでつまづいてしまう人も少なくありません。また、2年間のオペアから学生ビザに申請できるのですが、実際に取得は厳しいと言われています。なお、オペアでは他の就労は認められていないので、決まった収入以外は得ることができません。

日本人で看護師を目指すなら、さらに勉強が必要です。働きながら学ぶだけでは正直時間が足りません。そもそもオペアと学業を両立できる人は稀です。「なぜ子どもの世話なんてしているんだろう。生活はできるけど貯金できるほどではないし、英語も思ったよりも上達しない。看護師になるなんて無理だ。途中だけど、もう日本に帰った方がいいのかも」という内容の相談が多いのはこれが理由なのです。

仮にオペア終了後に、学生ビザを取得できても経済的な余裕がなければ大変です。学費を貯めていなければ働くしかないのですが、学生の就労は認められていません。こうなると日本で働き貯金をするしか方法がないのです。

また、オペアから看護留学に変更したいという相談を受けることもありますが、たいていの場合、NCLEX書類申請をしていなかったり、申請書類の問題を抱えていたりするケースが多いのです。アメリカに滞在している間に書類申請手続きをしようとすると、郵便事情や時差で問題が起こることもあり、かといってオペア中での一時帰国では時間が足りず卒業校に書類を依頼するのも厳しいというのが現状です。
 
アメリカで看護師として働きたいのであれば、資金を貯めることはもちろんですが、どんな方法が最も現実的で目標を叶えることができるのかということをきちんと調べておく必要があります。オペアや語学留学は、アメリカで暮らすための一つの方法ですが、目的はそれぞれ異なります。もちろん看護留学する前に利用してもよいと思いますが、内容をきちんと把握し、また将来の看護留学にどんな影響があるかということも知っておきましょう。

オペアプログラム体験者のケース

弊社がサポートした人の中にもオペア経験者がいます。それぞれ進む道は違っても医療従者として頑張っています。現在看護留学を検討している人の参考になれば幸いです。

Aさん
日本で看護師として働いていたAさん。チャイルド・ライフ・スペシャリストを目指し、まずはカリフォルニア州サンフランシスコでオペアプログラムをスタートしました。オペアでSSNを取得し、その後NCLEXにも合格しましたが、看護学校に進む資金がありませんでした。Aさんは、最終的にオペアが終了したと同時に帰国することを決断しました。現在は日本で看護師をしています。
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Hさん
テキサス州でオペアプログラムに参加。その後再渡米し4年制大学の健康教育学部を経て、公衆衛生修士号を終了。現在カリフォルニア州で看護師として勤務しています。渡米から5年目に弊社の永住権サポートを受けて看護大学進学と同時に永住権に申請。18カ月後に卒業してすぐに看護師となりました。時間とお金が非常にかかったものの、あきらめずに夢を叶えました。現場では、RNスーパーバイザーとしてアメリカ人看護師たちを指導する立場として活躍しています。
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● 看護師資格取得に欠かせない 「NCLEX」と「医療英語」

アメリカで看護師になりたい人の最終目標は、アメリカの病院や医療施設で働くこと。つまり就労資格を取得し合法的に看護師として働きたいという人たちがほとんどでしょう。看護留学がオペアや語学留学と大きく異なる点は、資格を取得しなければならないこと。それには、NCLEX受験許可証とNCLEXに合格できるだけの医療英語力が必要になります。

NCLEXは書類内容によっては、永住権スポンサーを見つけることができなくなるほど重要なので、最初から正しい方法で申請しなければなりません(書類不備による問題についてのコラムはこちら:看護留学・就職の落とし穴。留学前の手続きが永住権や就職に大きく影響する!知っておきたい3つの重要なポイント ~速報!NCLEX 3月より一部改定)。

そして、実際にアメリカで働くにあたり必要不可欠なのは医療英語です。いくら学校を卒業していても同僚や患者とコミュニケーションを取れる日常会話に加え、医療専門用語を学ばないことには、結局のところアメリカで医療従事者として扱われることはないような気がします。日本で看護師として働いた経験があったとしても、やはり英語で専門用語が理解できなければ、現場で実際に働くことは難しいと思います。

どんな留学の方法であれ、看護師を目指すなら「NCLEX」「医療英語」についてきちんと考えておくことをお勧めします。