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コラム Column
サンディエゴ 通信
04/06/22
日本の入国措置の現況と1年前の搭乗拒否の経験(2022年4月6日修正)
オミクロン株の蔓延により、新規感染者数は3月17日時点でも5万8千人と依然として高止まりしていますが、新規感染者がピークの半分程度になり、重症者数もデルタ株の蔓延時の半分程度に抑えられているため、3月21日には蔓延防止措置が完全解除されることが発表されました。
水際対策も緩和されつつあります。先ずこちらの情報を確認してください。現在最新のものは令和4年2月24日更新の以下のページになります。
水際対策に関わる措置は日々更新されるので、その都度新しい情報が外務省海外安全ホームページを確認してください。また、オミクロンの亜種の蔓延やいまだに新規感染者が高水準で、日本の病床使用率も高水準なので、まだまだ予断を許さない状態です。既にご存知かと思います、外務省のたびレジ に登録できる場合、最新情報 <anzen_mm@ezairyu.mofa.go.jp>が届きますので、確認してください。早速3月14日には政府が設定する入国者数の上限が14日、1日5000人から7000人に引き上げられました。(4月10日からは、更に1万人に引き上げられる予定です)。
水際対策ですが、日本国籍を有しない場合、これまで原則入国できなかったわけですが、3月1日以降、(1)商用・就労等の目的の短期間の滞在(3ヶ月以下)の新規入国、及び(2)長期間の滞在の新規入国の場合、新規入国を原則として認められるようになりました。ただし、その場合、国内に所在する受入責任者が、入国者健康確認システム(ERFS)における所定の申請を完了した場合に限られますので、注意してください。また、残念ながら、まだ観光目的の入国はまだ認められていません。
次に、日本国籍の有無にかかわらず、入国者の際の自宅等待機期間が緩和されました。これによって、指定国からの入国であっても、ワクチンを3回摂取している場合、空港から待機場所まで、公共交通機関が利用できるようになりました。更に、検疫所が確保する宿泊施設での3日間待機が不要で、自宅等待機ですみます。しかも、3日後に自主検査を受け、陰性を入国者健康確認センターに報告すれば、その後の待機も免除されるようになりました。以下詳細を上記ホームページから転載しますので確認してください。入国後の自宅等待機期間の変更等について (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00342.html )。ワクチン摂取が3回終了しているかどうかで隔離期間などが変わりますので、ご注意を。
1.入国後の自宅等待機期間の変更
(1)検疫所の宿泊施設での待機対象となっている国・地域(以下「指定国・地域」という。)から 帰国・入国する方で、新型コロナウイルス感染症のワクチンを3回接種していない方は、検疫所が確保する宿泊施設での3日間待機を求めます。宿泊施設で受けた検査の結果が陰性であれば、退所後の自宅等待機を求めないこととします。
(2)指定国・地域から帰国・入国する方で、ワクチンを3回接種していることが確認できる証明書を保持している方※は、原則7日間の自宅等待機を求めますが、入国後3日目以降に自主検査を受け、陰性の結果を厚生労働省(入国者健康確認センター)に届け出て確認が完了した場合は、その後の自宅等待機の継続は求めないこととします。
(3)指定国・地域以外から帰国・入国する方で、ワクチンを3回接種していない方は、原則7日間の自宅等待機を求めますが、入国後3日目以降に自主検査を受け、陰性の結果を厚生労働省(入国者健康確認センター)に届け出て確認が完了した場合は、その後の自宅等待機の継続は求めないこととします。
(4)指定国・地域以外から帰国・入国する方で、ワクチンを3回接種していることが確認できる証明書を保持している方※は、入国後の自宅等待機を求めないこととします。
※ 有効なワクチン接種証明書を入国時の検疫で提示する必要があります。
※ 検疫所又は保健所等から自宅等待機の継続等について別途指示があった場合には、その指示に従う必要があります。
※ 3日目以降に受けた検査の結果が出るまでに、数日を要する検査機関もありますので、必ずご自身でご確認の上、受検してください。
※ 上記(1)~(4)のいずれの場合も、陽性者、濃厚接触者となった場合は、自宅等での待機期間の短縮の対象となりません。
※ オミクロン株以外の変異株が支配的となっていることが確認されている国・地域が別途指定された場合には、当該国・地域から帰国・入国する方については、自宅等待機等の期間は14日間となります(現時点で該当する国・地域はありません。)。
※ 空港検疫で陽性となった方が、ゲノム解析の結果、オミクロン株以外(デルタ株等)の陽性者と判明した場合、当該陽性者の機内濃厚接触者の方は、濃厚接触者としての待機期間が14日間になることがあります。
以上
また、入国に際して必要な書類は相変わらず多いので、注意してください。
具体的には以下の5点です。こちらのWEBページに詳細がありますので、確認してください。
①検査証明書
②検疫所が確保する宿泊施設での待機・誓約書
③スマートフォンの携行、必要なアプリの登録
④質問票の提出
⑤ワクチン接種証明書の提出
ワクチン摂取証明に関して、上記WEBページにも記載がありますが、日本ではJohnson&Johnsonのワクチンは認可されていないので、ワクチン証明に有効ではありません。有効なのは、ファイザーもしくはモデルナだけとなります。
私は2021年4月に帰国したのですが、上記の書類の作成に加え、2週間の自宅待機と公共交通機関利用が必須の時期でした。ただ、ANAのWEB Pageハイヤーサービスの斡旋があり、家族だけでなく、サンディエゴからの段ボール数個を含む荷物全部もいっしょに1台のマイクロバスで移動できたので、比較的楽に移動できました。また、自宅隔離と言っても全く外出不可能ではなく、買い物も可能だったので、生活環境は維持できました。ただ、それ以上に帰国時に大変な経験をしたので、今回はそれについて紹介したいと思います。
実は当初4月ではなく、3月に帰国する予定でした。帰国のためにUCサンディエゴの医学部で提供されているPCR検査を受け、検査証明としてLAXのANAの搭乗口で提出して搭乗手続きをしようとした時。
「申し訳ありませんが、Nasal では日本の検査証明になりません。そのため搭乗できません。ここで搭乗を仮に許可しても入国できないで送還されてしまいます。」2021年3月20日 人生初めての搭乗拒否、更に入国制限のため帰国便が翌日には取れず、取れたのは4月になってから。2週間もどこで滞在すればいいのか。そもそも帰国の大荷物を持って、子供たち眠い目をして横に座っているところで、その夜はどこで過ごせばいいのか。そして1週間はどうすれば....
相当切羽詰まった状況なのは想像していただけると思います。今後もこういう状況に直面する機会がある人もいらっしゃるかもしれませんので、ここではその後どうやって帰国まで過ごしたかについて紹介したいと思います。
先ず搭乗拒否の理由を繰り返しますと、検査証明が日本の基準に一致しなかったことが原因です。全く問題ないと思っていて、UCサンディエゴの医学部でPCR検査を受け、検査証明としようとしました。しかし、日本の検査証明だと鼻の奥まで突っ込んで検査する(Nasopharyngeal swab)のに対して、米国だと利用した米国屈指のUCサンディエゴの医学部が提供するPCR検査でも鼻先(nasal swab)での採取。鼻先だとどんな優秀な検査でも日本の基準には適合しないということでした。FDA(アメリカ食品医薬品局)では当然OKですが、それより遅れている日本ではダメというケースは多々ありまして、油断していたといえば誤りではないですね。
ただ、鼻先(nasal swab)での採取はアメリカでは結構一般的な検査なようで、当時、我が家以外にも搭乗拒否された家族は結構いましたし、実際日本基準の鼻咽頭ぬぐい液の検査は、日系の医院やpassport healthと言った特別なところ以外でやっているのは少なかったです。
ただ、3月2日以降、核酸増幅検査の場合のみですが、遂に鼻先(nasal swab)での採取も有効になりました。 (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00248.html )。
登場拒否の瞬間、深夜にもかかわらず、いろいろ痛い目をみた経験もあって、思いのほか冷静でした。子供たちも全く動揺しなかったのは、たくましくなったなあと。それでも1週間帰国準備をしていて疲れはピーク。しかも帰国用の大量の荷物と一緒にその夜どこに宿泊するかも決まっていない。相当疲れました。ただ、チェックインカウンターのANAのスタッフのかたが非常に親切に対応していただいたのがありがたかったです。先ず、空港リムジンが使えるホテルのリストを出してもらい、コートヤードホテル(Courtyard Los Angeles LAX/Century Boulevard)が五人で泊まっても安かったので、booking.com で予約しました。送迎バスに荷物を載せるのもほんと大変でしたが、深夜1時ようやくホテルにチェックインすることができました。疲れていて、その日だけでなく、何もできずに翌日もそこで一泊。
翌日から更に困ったのは、入国制限を始めたばかりだったので、帰国便がはやくても2週間先になってしまったことです。さすがにコートヤードは一泊400ドルくらいしたので2週間は絶対無理。しかもサンディエゴのアパートは出払ったので、戻るのも無理。ということで、Booking.com でさがしたらトーランスのextended stay が1泊$100くらいで宿泊可能なのを発見し、そこで2週間滞在していました。ただ、荷物の輸送とレンタカーをどうするかという問題が生じますね。先ず、レンタカーは桜レンタカーで2018年製のRav 4をレンタルしました。非常に乗りやすくて、遠出もたくさんすることになり、思いの外すばらしい2週間をすごせた大きな理由になりました。次に問題の荷物の輸送ですが、ここで超おすすめを紹介したいと思います。
サンディエゴではあらゆる人が本当に親切でほんとに快適な生活を送れたので感謝感激ですが、その中でも2人の日本人は是非とも紹介したいと思っています。一人は、サンディエゴSanteeのCarlton Oaks Golf Courseを拠点にゴルフレッスンをされている曽我部プロですが、そちらはあらためて。もう一人がここで是非紹介したい、トーランスを拠点にリムジンサービスを提供されているアキヒラ・キタガワ(Akihira Kitagawa)さんです。
10年前の帰国にも便利だったので、LAの空港までサンディエゴからリムジンサービスを予約して荷物も一緒に陸路を行くことしました。ただ、コロナ禍で営業しているところが少なかったところ、オンラインでKitagawa Akihira limousine service.の北川さんの会社がヒットしたので、予約した次第です。webで頼んだのでどういう人かもわからず、かなり心配したのですが、実際に来られた北川さんがものすごくいいかたで、ホントに有り難かったです。事情を説明したところ、トーランスまでの移動、更にはトーランスから空港までの移動も快く引き受けていただきました。webだとわからない人柄の一端が、記事の写真でわかっていただけるかと思います。予約依頼はこちらです。
妻にはKitagawaさんのリムジンに乗ってもらい、私は自動車をレンタルしてトーランスのExtended Stayに。部屋は五人には狭かったですが、2週間の滞在としては悪くなかったです。Rav 4が乗りやすかったこともあり、遠出も含め、観光三昧でした。LA観光に加え、デスバレー、テコパ温泉、マンザナー強制収容所、そしてセコイアまで観光できました。更に、4月に帰国がずれ込んだことで、前日にはJohnson & Johnsonのワクチンまで摂取できて、ほんとアメリカには感謝しきりです。
なお、ワクチンに関してですが、2022年1月時点での日本の基準では、日本で承認していないものはワクチンと考えないという方針で、Johnson & Johnsonを摂取した場合でも、ファイザーもモデルナも希望すれば、3回摂取できました。私はファイザー2回摂取完了しましたが、ほとんどそれでブースター摂取に近いです。今年2月からブースターにファイザーかモデルナを接種していれば、遂にJohnson & Johnsonの1回摂取で、他の2回のワクチン摂取と同等とみなして、ワクチン摂取証明に使えるようになりました(なお4月10日よりインドのCOVAXINも採用されています)。詳細はこちらから。
最後に帰国の前日にANAの搭乗カウンターで教えてもらった新井医師が運営するLAのNew Sunrise Clinic で免疫定量検査を受け、日本の基準に完全に合致する検査証明を発行してもらいました。そして、2回目のチャレンジで無事帰国することができました。ただ帰国後の搭乗手続きは煩雑かつ時間がかかりました。様々な書類のチェックで羽田空港を1Kmほども歩かされ、にもかかわらずアプリは不備だらけで、隔離のチェックには全く使えていないという状況だったのは前回も少し触れた次第です。今はもう少しマシになっていると期待したいですが、空港検疫はそれまでも人員が足りていないので、時間がかかることを想定しておいた方がいいと思います。
写真提供元:by 中泉拓也