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カリフォルニア不動産情報
08/01/24
8月13日から変わる不動産手数料の仕組みとこれからのエージェントの役割りについて
こんにちは。The Lee Team のデービッド・リーです。
最近、一般の方からこのような質問をされる時があります。
「デービッドさん、今度から家を購入する際にフィーをエージェントに支払う必要があるのですか?」
答えだけを先に言いますと,部分的には合ってますが、それが全てではないという意味でYes & Noです。
家を買うことは私たちにとって常に重要なライフイベントであり、不動産購入のプロセスは過去1世紀にわたって大きく進化してきました。米国の不動産取引は、伝統的に不動産手数料は売り手によって支払われてきました。このシステムはスムーズなこれまで取引を促進し、売り手エージェントが買い手を引きつける役割をしてきました。しかし、昨今のミズーリ州で起こったSitzer/Burnett裁判を受けての最近の法律の変更により、手数料の取り扱う方法に変化が生じました。
今回のコラムではこれらの変更とそれが今日の住宅購入者にとって何を意味するかを説明したいと思います。
[Sitzer/Burnett訴訟]ミズーリ州連邦裁判所に家の売り手グループが全米リアルター協会(NAR)および他の被告を相手取って提訴した画期的な反トラスト訴訟。この訴訟は、被告が共同報酬ルールを施行することで不動産手数料を引き上げるために共謀したと主張している。このルールは、原告はまた、買い手の代理人が過剰に支払われていると主張し、NARの倫理規定とMLSハンドブック、および被告の慣行が手数料率の高騰につながっているとしている。
伝統的な不動産モデル
過去約100年間、不動産市場はシンプルな手数料構造で運営されてきました。売り手が自分のリスティングエージェントと買い手のエージェントの手数料を支払うというものです。この伝統的なモデルは、買い手が直接エージェントに支払う必要がないため、買い手の資金調達の負担を軽減するので、100年以上受け入れられて今日に至りました。一方、売り手は自分の物件を魅力的に見せてより多くのオファーを確保するために熱心に働くエージェントに仕事を依頼していました。しかしミズーリ州の小さな街で起こされたSitzer/Burnett裁判が全米各地で同様の裁判が飛び火するようになり、ついには米国司法省(DOJ)まで巻き込む事態まで発展し、不動産手数料のあり方に大きな影響を与えることになりました。
今回の判決により、売り手は複数の不動産業者が登録するサービス (MLS) を通じて、特定の手数料率を設定したり、その手数料を保証したりすることを強制されなくなりました。この変更により、売り手は買い手の代理人に手数料を支払う選択肢はあるものの、義務ではなくなりましたしたが、これ自体は新しいルールではなく今でも義務ではありません。
リスティングエージェントの役割
買い手側であってもリスティングエージェントの役割を理解することは重要です。看板に名前が載っているエージェントは売り手の利益を確保し、売り手のために最良の価格を得る契約を結んでいます。買い手がリスティングエージェントに連絡すると、そのエージェントの主な義務は売り手に対してあります。Dual egency(エージェントが買い手と売り手の両方を代表する)はいくつかの州で合法ですが、買い手の利益が適切に代表されるかどうかについての懸念が起こります。
2024年8月13日からの新ルール
買い手には、自分のニーズに専念し、書類作成をナビゲートし、鍵の引き渡し前にすべての詳細を確認するエージェントが必要です。
2024年8月13日からは、買い手は買い手のエージェントが自分のために働いていることを認識し、そのエージェントが買い手ブローカー契約の条件に従って報酬を受けることを認識する書類に署名する必要があります。
これは、買い手とエージェントの関係と支払い構造を明確にするため、重要な変更です。つまり、これからは買い手にも、売り手と同様に購入前にエージェントをセレクトし契約期間中はコミットすることが要求されるようになるということです。
買い手エージェントは新しい手数料の仕組みをナビゲートする必要性ができたということになります。
ルール改正後は経験のある買い手のエージェントは、これまでのように可能な限り売り手に自分の手数料を支払わせるよう交渉をします。
しかし、ケースバイケースにより買い手がエージェントの手数料をクロージングコストの一部として負担する必要がある状況もあります。(これが冒頭の質問に当たります)経験豊富なエージェントは、これらのコストをさまざまな手段でサポートをします。彼らは買い手が助成金(Grant)を取得する方法に導いたり、売り手の譲歩を交渉したり、貸し手の譲歩を得たりできるよう支援します。
また売り手エージェントは、売り手が買い手エージェントの手数料を払うことのメリットをしっかりと説明する必要があります。
今でも頭金やクロージンングコストを確保することが大きな壁となっている買い手にとっては、買い手側エージェントの手数料を払うことは大きな助けになるからです。
結論
この不動産法の改正は、住宅購入プロセスと売り手と買い手の責任の透明性の向上に向けた方向にシフトしています。
難しく聞こえるかもしれませんが、経験豊富なエージェントは依然として、買い手の利益を守り、最良の条件を確保するために働く重要な味方です。
昔も今も手数料は常に交渉可能であり、それは変わっていません。今回の変更はその部分が透明化されたために、メディアが取り上げる度にそこだけが強調された形になっています。複雑な取引において無料で働く人はいませんが、これでその手数料の責任が売り手のみから両方の側に移ったという見方もできます。
買い手にとっては、自分の成功に専念するエージェントが横にいることで住宅購入の複雑さを安心してナビゲートしてもらうことができます。
知らない街に行くと現地でガイドを雇って効率的に回るのがベストなように、買い手はエージェントの情報に基づいた正しい決定を下し、必要なサポートを受けながら夢の家を手に入れる方法がベストなマイホーム購入の道と考えます。
ご不明な点がありましたら、メールにてご連絡ください。
デービッド・リーのプロフィール
大阪生まれ、レストランや小売り店などのサービス業を営む家庭で育つ。1974年、大学生の時にハワイに初渡米。大学卒業後に念願の語学留学で本格的に渡米し、シアトル、ロサンゼルスのサンフェルナンドバレー、ハリウッド、ウエストサイド、サウスベイ、アーバインなど様々な地域で暮らしました。
初めての家の購入は1980年のハリウッドの小さな一軒家でしたが、その後、様々な地域に移り住みながらも本業の傍らで行なった6軒の不動産売買と不動産管理を経験する内に、不動産との縁に気づき、2002年に不動産免許を取得しエージェント業を開始しました。おかげさまで、今年(2024年)で22年目を迎えますが、これまで350軒を超える売買とリース契約のお手伝いをさせていただいています。その中には、住宅以外にも、商業物件、ビジネス案件、オフィスや工場のリースなどの様々な案件があります。