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コラム Column

海外生活、国際結婚、子育てを応援するMy Peaceful Family

塚越悦子

震災後:国際結婚家庭ならではのチャレンジ

3月11日に発生した大地震、津波、そして原発の事故からもうすぐ一ヶ月がたとうとしています。被災された皆様とご家族の方々に心からお見舞いを申し上げます。被災地の一日も早い復興を心から願っております。 

未だに状況は終息とは言いがたく、不安な日々が続いています。そして、特に原発の事故からもたらされる様々な方面への影響の大きさは計り知れないものがあります。震災直後から「成功する国際結婚ブログ」で様々な情報発信をしていたところ、いくつかご相談のメッセージもいただきました。国際結婚家庭ならではの悩みとして、「配偶者とその家族は、日本から出るべきだと言っている。小さい子供もいるから、あえて危険なところにいる必要はないと言われ、この機会に移住せざるを得ないかもしれない」という方もいました。放射線という目に見えないものの脅威にさらされ、「誰を信じてよいのか」という判断に迫られるような状況です。

前回、前々回とこちらに書いてきた「語学力」が重要性を増すのはこんなときです。日常会話であれば英語で何とかこなすことができても、自分の情報収集によれば、現在何が起こっていて、どのくらいのリスクがあるから、こうしたい・・ということを、冷静にパートナーと話し合うことができるためには、語学力、そして相手の考え方に大きく影響している文化的な要因を普段からよく知っておく必要があります。こういった考え方の細かな違いは、リスクに対する対応や、個人主義、自己責任といったところにも現れてきます。また、危機的な状況になると「落ち着いて考えることができない人だった」「自分の意見だけを通そうとする人だった」などという、普段の生活では見ることのなかった部分が見えてくるかもしれません。

先日My Peaceful Familyのブログで、ハリー・ポッターの著者、J.K.Rowlingの言葉を紹介しました。“You will never truly know yourself, or the strength of your relationships, until both have been tested by adversity” (困難な状況に直面するまでは、自分がどういう人間なのか、そして自分にとって大事な人との絆がどれほど固いかということは、本当にはわからないものだ) 

自分について、相手について、二人の関係について・・・このような状況になってみて初めてわかることがあるでしょう。国際結婚の方だけでなく、海外に住むすべての日本人にとって、常に楽観的ではいられない日々が続くかもしれません。でも、こんな時こそ、自分に出来ることからやっていくしかありません。そのひとつは、自分を取り巻く人間関係を見つめ直し、改善できるところがあるのなら、それに向けて努力することではないでしょうか。