国土の広い中国では、風土や食習慣・特産物などの違いから、様々な特色のある料理が生み出されました。代表的な料理として、黄河下流の“魯菜”(山東料理)、長江上流の“川菜”(四川料理)、長江中・下流と東南沿海の“蘇菜”(江蘇料理)、珠江流域と南部沿海の“粤菜”(広東料理)の四つがあり、これを“四大菜系”(四大料理)と呼んでいます。各系統料理の特色は千差万別ですが、味付けの面では“魯菜”は濃く、“川菜”はピリッと辛く、“蘇菜”はあっさり、“粤菜”は甘いという傾向があります。
それぞれの代表的な料理としては、
魯菜 (山東料理):油爆海螺 (サザエのから揚げ)、清湯燕窩菜 (燕の巣のスープ)、 干炸赤鱗魚(赤鱗魚のから揚げ)
川菜 (四川料理):宮保鶏丁 (豚肉とピーナッツの唐がらし炒め)、棒々鶏 (バンバンジー)、 回窩肉 (ホイコーロー)、 麻婆豆腐
蘇菜 (江蘇料理):紅焼甲魚 (スッポンの甘煮)、 醉蟹 (カニの酒漬け)、 竜井划水 (クルマエビの茶炒め)、 沙窩獅子頭 (肉団子の土鍋煮込み)
粤菜 (広東料理):片皮乳猪 (子豚の丸焼き)、 咕噜肉 (豚肉の甘酢炒め)、 明月拌干貝 (蒸し干貝柱のあんかけ)、蟹肉魚翅 (フカヒレとエビのスープ)
などがあります。